バービーのこと少しも知らんけどフェミさんなので喜び勇んでみてきました
別にこういう映画がちょっとはあったほうがいいと思うけど、端的に詰め込みすぎでやりたい事がぼやけてる印象がかなりあったか
素人が上から目線で申し訳ないですが
まぁ素人だしな
なので突っ込むべきところとか褒めるべきところみたいなのがよく分からない
とりあえず、Twitterでバズってた感想が実際どうだったのかについてを足掛かりに感想書こうと思う
冒頭のシーン
事前に聞いてた限りはバービーの登場で女児のお人形遊びが「母親ロールの予行演習」のようなものから自分を投影して「何にでもなれる」自己実現を夢見られる活動に変わったと
その象徴として赤ちゃん人形を叩き壊すシーンがあるというので物議を醸していた
聞いた時は攻めた表現で割といいと思ったのだった
家父長制への強い怒りの解放として！それぐらいやって批判浴びるのは剛毅でいいじゃないかと
ので、その後それが「2001年宇宙の旅」のパロディだと知った時はちょっとガッカリしたかな
元ネタは「人類の夜明け」のシーンで、類人猿がモノリスによって進化し、道具を使うことに目覚めて獣の頭蓋骨を叩き壊すシーンだ
バービーは女性にとってモノリスのような存在だ！ということを言っているわけですね
でもこのせいで一部の表現にノイズが生じている
要は「性別分業の象徴を景気よくぶっ壊したいぜ！」から始まったわけではなくて
「元ネタにそういうシーンがあったから」思いつきで当てはめてみました、ということじゃないかと思う
それでイマイチずれた例えになっていて一部の人形好きにとってただ不快を煽るだけのシーンになっているっぽい
それはなんか残念だ
Twitterでよく見るフェミさんが比喩が下手くそすぎて身内以外に引かれてる光景を思い出してしまい少々ヤキモキした
この辺の比喩やミラーリングがなんで下手になるのかという話は映画の話からは逸れるのでやめとこうと思う
ちなみに、2001年の猿のシーンはその後「目覚めて武器を手に入れた猿がまだ目覚めてない猿を叩きまくって殺す」ところまで描かれる
そういう所まで織り込んでパロディしているとしたら、話は別かもしれません
あとは「眼鏡取ったほうが綺麗だよ」って言われるシーン
確かにそのセリフ自体には否定的な文脈ではあったが、全然よくなかった！
というか、二段構えで皮肉っていたといった方がいいか？
「男社会に感化されて暴走したケンからバービーランドを取り戻す」作戦のうちの一部だったのだが
それが結局「おだてていい気にさせている隙においしい思いをしましょう」「アホだから喧嘩しているうちにほっといて私達でやりましょう」っていう昭和女の処世術やねん。
主人公バービーは弁護士とかの役職持ちではないプレーンバービーなので、一貫して敵と正面切って戦うことはしない
ここが本当に一貫しているので、おそらく問題提起であり、テーマの一つなんだと思うんだけど
結果として主人公もパートナー役も全然魅力的に描かれないので、別に気持ちのいい話とかではない
「みんな不完全で迷いながら生きているのよ」みたいな空気感の話、まあ別に嫌いではないけどね
物語としての解決もはっきり言って丸投げされるので、すっきり何も考えずに見れるエンタメを期待する人にはあんまりおすすめしない
とりあえず面白い映画というのは、小さな事件が解決したらまた次の事件が起こり、そうしてるうちに気づいたら大きな物語の流れに私達を乗せてくれていて
世の中の様々な問題が描かれあらゆる人に刺さると思えるのに、見終わってみれば一つの大切なものを教えてもらった気分になる
そういうものではないか？と思う
バービー映画は女性の自己実現や性差別への批判という一貫したことを延々と表現しているのに結局なにかが「伝わったぜ！」という気分にはなれなかった
個人的には登場人物の中では「バービーがフェミニズムを50年後退させた！今では女は女にも嫌われてる」とか言ってくるアンフェ感ある(真フェミ?)少女がキャラ立ってて、現代女子の置かれるリアルを示している気がして良いと思ったが
彼女がどうしてバービーを助けようと思うに至ったのかも、まぁじっくりみて考えれば何となく分かった気にはなれるが、せめてそこは緩急つけてバシッと決めてほしかったわ
しかし、とにかくこれを読んでわかった気にならずに実際見るべきです。
「考えさせられる」映画が好きな人にはおすすめできると思います。知らんけど…
少なくとも映画とかを見てやいのやいのと言えるのは悪い体験ではない、その点ありがとうございます、という感じです。
マイ・エレメントが映像美も見事でよかった。
やっぱりディズニーは何だかんだ言われてるけどおもしろさ的なことでは安定だと思いますよ。
